夜中の夫探偵代と弁護士代を払ったら、慰謝料なんて消えるんじゃないか…
探偵の見積もりか報告書を横に置いて、夜中にスマホの電卓を叩いている夫へ。探偵費用と慰謝料で検索しても出てくるのは、法律事務所と探偵社の一般論ばかりですよね。
僕は探偵に約64万円、弁護士に約75万円を払い、慰謝料を合計300万円受け取った夫です。収支表の数字は全部、僕が実際に払ったお金と受け取ったお金です。
結論から言うと、計算上はお金が残りました。でも「慰謝料で得した」とは、とても言えない。
- 慰謝料300万円−探偵と弁護士の約139万円=+約161万円。細かい出費まで全部引いても+約150万円
- それでも、一番払ってよかったお金は探偵と弁護士だった
- 探偵代は裁判だと一部しか戻らない。弁護士費用の上乗せも「認容額」(裁判で認められた慰謝料の額)の1割が目安
- ただ、離婚後の財産分与で約240万円を払ったら、得した感覚はどこにも無かった
- それでも疑いじゃなく事実で話し合えて、今は子どもと二人で同じマンションに暮らしている
あなたは今どこ?
| あなたの状況 | 先に知っておくこと |
|---|---|
| 見積もりを前に迷っている | 慰謝料の見込みを超えるなら署名しない |
| 報告書を受け取った | 探偵代が戻るのは10万〜30万円が多い |
| 財産分与が控えている | 不倫されても分与の額は変わらない |
| 妻が自分から認めている | 探偵は頼まなくていい場合がある |
弁護士代そのものが怖い人は、法テラスの無料法律相談(収入・資産の条件あり)という手もあります。
湊(みなと)/妻の浮気|サレ夫の記録 運営・執筆。
30代の会社員です。妻の不倫を探偵の報告書で知り、10年続いた結婚生活を終わらせました。今は10歳の子どもと二人で、同じマンションに暮らしています。専門家ではありません。ここに書くのは、探偵・弁護士・調停・カウンセリングで僕が実際にしたこと、払ったお金、間違えたことです。今の僕は「許してはいない。でも、怒りだけで一日を終えなくなった元夫」です。
当サイトの記事は、筆者自身の体験と、警察庁:探偵業について・裁判所:財産分与請求調停・裁判所:年金分割の割合を定める調停・法テラス:無料法律相談のよくある質問・厚生労働省:まもろうよ こころ(電話相談窓口)等の公的情報、編集方針に基づいて書いています。
探偵の料金・契約の決まりは、各社の公式情報と、警察の案内(警視庁:探偵業法の改正のお知らせ)も参照しています。法律・お金の話は「僕の場合」です。最新の制度は各窓口でご確認ください。
探偵費用と慰謝料の差し引き|僕は+約150万円


探偵費用と慰謝料を引き算すると、僕の場合は計算上プラスでした。プラスはプラス、ここまでは本当です。
慰謝料300万円の半分は取るための費用で消えた
入ったお金と出たお金を、全部出します。慰謝料は、妻と相手の合計だけ書きます。
僕の収支表(30代・会社員・子ども1人の夫の場合)
| 区分 | 中身 | 金額 |
|---|---|---|
| 入ったお金 | 慰謝料(妻と相手・合計) | +300万円 |
| 出たお金 | 探偵(延長1回込みの総額) | −約64万円 |
| 出たお金 | 弁護士関連 | −約75万円 |
| 小計 | 探偵+弁護士 | −約139万円 |
| 出たお金 | カウンセリング6回 | −約5.3万円 |
| 出たお金 | 裁判所・書類・郵送・交通 | −約2万円 |
| 出たお金 | 鍵の交換・生活の立て直し | −約4万円 |
| 合計 | 直接の出費ぜんぶ | −約150万円 |
| 差し引き① | 慰謝料−探偵と弁護士 | +約161万円 |
| 差し引き② | 慰謝料−直接の出費ぜんぶ | +約150万円 |
探偵と弁護士だけで、慰謝料の約46%。細かい出費まで入れると、ちょうど半分なんですよ。



半分も消えるのかよ…
見積もりが手元にあるなら、表の「探偵」の行に自分の金額を入れて引き算してみてください。
財産分与の約240万円は慰謝料と分けて数える
で、ここからが落とし穴。この表には、まだ載せていないお金があります。
- 財産分与で妻側へ −約240万円
- 中身は、夫婦の財産を分ける清算
- だから収支表には混ぜずに数える
不倫された側でも、財産分与の額は変わりません。お金の面では、正直かなりシビアです。
不倫をされたからといってお金が増えるわけではないというのはシビアな事実です。
払った側として、これはマジでそのとおりでした。



慰謝料でもうかった感覚は、全くない。これが本音です
それでも、探偵と弁護士の約139万円は払ってよかったお金です。
探偵費用は相手に請求できる?慰謝料への上乗せは一部


僕が探偵に払ったのは約64万円。裁判の目安に当てはめると、戻るのは一部だけです。
判例の目安を僕の数字に当てはめた試算(実際に戻った額ではない・弁護士は300万円が全部判決で認められた場合)
| 払った額 | 戻る目安 | 自腹 |
|---|---|---|
| 探偵約64万円 | 10〜30万円 | 約34万〜54万円 |
| 弁護士約75万円 | 約30万円 | 約45万円 |
探偵費用の請求そのものは、できます。
請求はできますが、かかった費用の一部しか賠償は認められません。
戻るかどうかは、ほぼ1つで決まる。探偵なしで不倫を証明できたかどうか。
探偵費用が損害賠償になるのは探偵なしで立証できない時
請求の根拠は民法709条の不法行為(他人の権利を傷つけた人が損害を償う決まり)。ただ、払った探偵費用がそのまま「損害」になるわけじゃありません。
- 認められやすい:相手が不倫を否定している
- 認められやすい:名前しか分からず、探偵なしでは証明できなかった
- 認められにくい:相手が最初から不倫を認めていた
- 認められにくい:SNSの書き込みなど、ほかの証拠で分かっていた
弁護士の言葉でいう「相当因果関係」です。探偵に頼んだことと不倫の証明が、ちゃんとつながっているか。



相手が最初から認めてたら、探偵代は戻らないってこと?
デイライト法律事務所が紹介している判決でも、戻っていません。条件は「探偵に頼まなければ不倫を立証できなかったこと」です。
不貞慰謝料の判例|探偵費用は10万〜30万円
探偵に100万円かけても、200万円かけても同じ。裁判で探偵代として認められるのは10万〜30万円がほとんど(春田法律事務所)。
春田法律事務所が紹介している判決の例
| 払った調査費用 | 認められた額 |
|---|---|
| 46万円台 | 10万円 |
| 27万円台 | 全額(調査は1日だけ) |
| 80万円近く | 10万円 |
全額が戻ったのは、調査1日・30万円弱の例だけ。高い調査ほど、自腹の割合が大きくなります。
- 妻の不倫を疑った夫が、48時間パック162万円で契約(弁護士ドットコムの相談)
- 決め手は探偵の「裁判で調査費用は100万まで認められて相手に請求できる」という説明
- 相談者が弁護士に聞くと、認められても少額のことが多いと言われた
- 学び:探偵の「戻ります」は、署名の前に弁護士へ確かめる
浮気調査費用を相手に請求するなら裁判前の交渉で
浮気調査費用の請求は、裁判の前の話し合い(示談)の段階なら事情が変わります。僕も、相手の男性とは直接会わず、全部弁護士を通しました。
- 交渉・示談:調査費用の上乗せを求めやすい
- 裁判(訴訟):全額は認められにくい(弁護士ドットコムの解説)
- 交渉の進め方や書面づくりは、弁護士の仕事
慰謝料の弁護士費用の上乗せは認められた額の約1割
慰謝料に上乗せできる弁護士費用も、払った額がそのまま戻るわけじゃない。
- 損害になるのは、事件の難しさや認められた額から見た相当と認められる範囲だけ(最高裁の判決要旨)
- 不倫相手を訴えた東京地裁の判決を集めた分析では、おおむね認められた額の10%(みずほ中央法律事務所が紹介する論文)



てことは、弁護士代のほとんどは自腹か…
上乗せがあるから弁護士代はタダ、とはならない。ぶっちゃけ、ここを混ぜると計算が全部狂います。



戻る分は少なめに見て、払える額を先に決めた方がいい
最初の相談で「この調査費用も請求に入れたい」と言うだけで、交渉での上乗せの道が開く。
慰謝料請求の費用倒れ|探偵費用で赤字になる夫


慰謝料請求が費用倒れ(赤字)かどうかは、探偵代の高い安いじゃない。慰謝料の見込みを知らないまま署名したかどうか。
だって今回、Xさんが獲得したのは210万円。探偵に支払ったのは207万円。差し引き3万円しかゲットしてないんです。
引用:弁護士JPニュース
妻の浮気で探偵に207万円払った夫の判決例です。調査費用として認められたのは、10万円だけでした。



差し引き3万円…しかも弁護士代は別で払ってるよな
離婚しないなら探偵費用100万円超で赤字
弁護士の解説では、とくに離婚しない場合、調査に100万円以上かけると慰謝料を上回って赤字になりやすい。
僕が相談した3社のうち1社は、最初から100万円近いプランを勧めてきました。



見込みの慰謝料を超えるプランなら、署名しなくていい
浮気調査費用の相場より慰謝料の見込み額と並べる
浮気調査費用の相場は、しょせん他人の平均。自分が赤字かは、それじゃ分からない。
頼む前に横に並べる4つ
| 並べるもの | どこで確かめる |
|---|---|
| 見積もりの総額 | 契約前の書面(探偵業法8条で、概算額と支払時期を書く決まり) |
| 延長したときの上限 | 見積もりの席で数字を聞く |
| 慰謝料の見込み額 | 弁護士の相談で聞く |
| 弁護士の報酬 | 法テラスの立替なら得た額の10%+税(離婚の示談交渉なら着手金6.6万〜11万円) |
法テラスの立替なら、取れた慰謝料の1割は報酬として消える。そこまで引いて、やっと手残りの話になります。
僕も契約前の説明で「この金額以外に追加になる可能性は何ですか?」と何度も聞きました。
赤字を防ぐなら調査日時を絞り延長料金を数字で聞く
日時が絞れないまま長時間の調査を入れると、費用だけ膨らみます。署名する前の自分に言うなら、この3つ。
- 調査日時をできるだけ絞れ。
- 料金より報告書の質を確認しろ。
- 延長料金を数字で聞け。
僕の調査は時間制が基本で、完全成功報酬ではありませんでした。延長は1回で、食事のあとも二人が一緒にいたので承認しています。



延長のたびに金額が頭をよぎった
いや、その延長で決定的な証拠が取れた。赤字の元は、延長の上限を決めずに続けることです。
この3つをメモにして、見積もりの席に持っていく。



署名の前は「何もなかったら、妻を疑うために60万円以上使った男になる」と迷った
慰謝料と財産分与の違い|不倫されても分与は変わらない


手元が増えなかった理由は単純で、財産分与は慰謝料とまったく別のお金だから。



離婚届を出せば全部終わると思っていた自分は甘かった
財産分与は夫婦の財産の清算で慰謝料は心の損害の賠償
慰謝料は、不倫した側が払う心の損害の賠償。財産分与は、夫婦で築いた財産を離婚のときに分ける清算です。
慰謝料と財産分与の違い(慰謝料=民法709条・710条/財産分与=裁判所。※法改正より前の離婚は2年)
| 項目 | 慰謝料 | 財産分与 |
|---|---|---|
| 中身 | 心の損害の賠償 | 夫婦の財産の清算 |
| 払う人 | 不倫した妻・相手 | 財産が多い側 |
| 不倫で額は | 変わる | 変わらない |
| 期限 | 知った時から3年 | 離婚から5年※ |
財産分与はあくまで夫婦で築き上げた財産を離婚時に分けるというものなので、離婚原因によって分与額が変わることはありません。
不倫された側でも、財産分与では払う側に回ることがある。僕がまさにそれで、約240万円を払った側です。



不倫されたのに、こっちが財産を渡すのかよ…
離婚届のあとの、財産分与・年金分割の調停でのこと。調停委員の「夫婦双方に事情がありますから」が、妻をかばっているように聞こえました。
気持ちと財産分与は分けて考える必要がある、と途中で分かりました。
慰謝料と財産分与を相殺する前に別々の金額を出す
離婚の調停では、財産分与や年金分割、慰謝料を一緒に話し合えます(裁判所)。
慰謝料の分を、相手が受け取る財産分与から差し引いて精算する形もあり得る(デイライト法律事務所の解説)。
ただ、先に混ぜると何をいくら譲ったのか分からなくなる。
- 慰謝料の見込み額を出す
- 財産分与で分ける財産と、その額を出す
- まとめて差し引くかは、そのあとで弁護士と決める
僕の場合、住み続けたマンションも、査定額・ローン残高・持分を確かめて財産分与の中で調整しました。



弁護士は、財産分与と子どものことも一緒に扱える人を選んだ
財産分与が控えているなら、慰謝料の見込み額と分ける財産の一覧を別々の紙に書き出しておく。



調停の朝の自分に言うなら「相手を言い負かす日じゃない」
支えは、子どもの生活リズムを崩さないこと。調停の日も、帰って夕飯を作りました。



それが、僕を現実に戻してくれた
探偵費用と慰謝料を損得だけで見るなら頼まなくていい


正直、お金だけで見ると、探偵費用も慰謝料請求も割に合わないことがあります。それでも払った意味はあった、と僕は言い切れる。



で、結局俺は頼むべきなの?
迷っているなら、現在地マップで自分の段階を先に確かめるのも手です。
頼まなくていいのは妻が自分から認めて経緯を話す夫
先に、頼まなくていい夫の条件から。当てはまる行に、丸をつけてみてください。
頼むかどうかの自己判定
| 判定 | こんな夫 |
|---|---|
| 頼まなくていい | 妻が自分から認めて、経緯を話している |
| 頼まずに済むことも | 離婚も慰謝料の請求もしない |
| 頼む意味がある | 口頭の説明だけでは納得できない |
| 頼む意味がある | 離婚や慰謝料の話し合いで事実が要る |
僕の場合、妻が自分から認めて経緯を話していれば「頼まずに済んだかもしれない」。でも当時の妻の態度では、口頭だけでは納得できませんでした。
頼む前に弁護士の話を聞きたいなら、法テラスの無料法律相談がある。同じ問題なら3回まで無料です。
ただ、誰でも使えるわけじゃありません。
収入(手取りの平均月収 ※賞与も含む)と資産(お持ちの現金・預貯金)が一定基準以下の方が対象です。
探偵と弁護士の約139万円は一番払ってよかったお金
後悔しているお金なら、ある。疑い始めのころ、感情だけで何件か使ったネットの有料相談です。
- 疑いじゃなく、事実で妻と話し合えた
- 相手の職場へ怒鳴り込むことも考えた。止めたのは、子どもの顔と弁護士の言葉だった
- 「今やることと、怒りでやりたいことを分けましょう」と言ってもらえた
- 弁護士代は「自分が感情的になった時に止めてもらう費用でもあった」
もし白で「何もありませんでした」なら、お金は痛かった。でも妻が不倫していないと分かるなら、64万円を無駄とは思わないつもりでした。



慰謝料で、少しは気が済んだ?
答えは「済まなかった」。お金の勘定と、払った意味は別の話です。
慰謝料の手残りより次の段階へ進める証拠が残る
報告書を受け取ったのは、疑い始めて6か月目。そこから先は、この順番で進みました。
報告書のあとの順番(疑い始め=0か月目)
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 6か月目 | 報告書を受け取り、翌日に弁護士へ電話 |
| 6か月目後半 | 弁護士に相談したうえで、妻と話し合い |
| 7か月目 | 妻が家を出て別居。子どもは僕と今までの家に |
| 10か月目ごろ | 離婚届を出す(話し合いで合意) |
| 11か月目ごろ | 財産分与・年金分割の調停を、僕から申し立て |
| 17〜18か月目ごろ | 5回目の調停でまとまる |
| 離婚から1年あまり | 10歳の子どもと二人、同じマンションで暮らす |
疑っている間は、分からない部分を全部悪い方向に想像していました。証拠→話し合い→離婚の条件と一つずつ決まるにつれ、「もう答え合わせをし続けなくてもいい」と思えた。



一番の変化は、「なぜあんなことを」を毎日考えなくなったこと。
休日の楽しみは、子どもと外食すること。二人で焼肉に行ったら、子どもに僕より食べられて、少し悔しくて笑いました。



子どもと二人で、壊れた日常を作り直している途中です
探偵費用と慰謝料でよくある質問
探偵費用は慰謝料の見込み額と並べてから払う
僕の場合、探偵費用を慰謝料から引いても、計算上はお金が残りました。でも探偵代は一部しか戻らない前提で、財産分与は別の紙で数えるのが正解です。
- 慰謝料の半分は、取るための費用になった
- 探偵代は裁判だと10万〜30万円しか戻らないことが多い。戻る分は少なめに見る
- 財産分与は不倫と関係なく分ける。慰謝料の手残りと混ぜない
- 高いお金だった。でも今は「なぜあんなことを」を毎日考えなくなった
今夜やることは1つだけ。紙に3行書いて、3行目は空けておいてください。
報告書を受け取った人は、払った総額を書く
見積もりの席で聞いた「1時間延びたらいくら」の数字
弁護士の相談で見込み額と「この調査費用は請求に入れる余地がありますか」を聞いて埋める。法テラスの無料法律相談なら、収入・資産の条件あり
空欄が埋まれば、払うかどうかは自分で決められる。



3行目が埋まるまで、署名は待っていい



